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2022.10.19

【柔道整復学科】障害者柔道と私

宝塚医療大学
教授 大山昭三

令和4年 恩師で私達夫婦の仲人 わらしべ学園創立者 村井正直先生の
96回目の誕生日である10月10日、小雨降る中、墓参りに参りました。

村井先生は重度脳性麻痺の子供達の療育の為にわらしべ学園を創立されました。
村井先生と私の出会いは私が天理大学卒業と同時に柔道指導の為にイタリアに
派遣されることになった際、何故 私がイタリアの指導に行くことを知られたのかは
わかりませんが、出発前に突然是非お会いしたいとお電話いただきました。
東大阪のご自宅に伺いましたら 今、イタリアのウディネの町に講道館から
柔道指導で派遣されている高田勝善先生に、大変申し訳ないがこの荷物を
届けてくれないかと言う事でありました。私は心よく先生のご依頼を受けました。
これが村井先生との出会いでありました。

一週間後ヨーロッパに旅立ち、無事にイタリア ウディネの町に到着し
その荷物を高田先生にお会いし渡す事ができました。
高田先生は長年の海外指導で世界を回り心臓を患っておられ、いつもニトロを
ペンダントに入れ首にかけておられ、村井先生が高田先生の身体を気づかわれ
薬を届けられたのでした。それから約1年半 高田先生とのお付き合いが始まり
忘れる事の出来ない思い出を沢山いただきました。

又 村井先生も年に一度ハンガリーのぺテイ研究所に行かれた折にはイタリアに
立ち寄られ、3人で柔道談議に朝方まで話が尽きず、村井先生が障害者の為に
人生をかけているお話をお聞きする中、私は障害者柔道への思いが
ふくらんでまいりました。

その後高田先生の体調が悪くなり日本に帰国され、私一人ウディネに
滞在することになりました。イタリアとの2年の契約が終わり、ヨーロッパ各地に
柔道指導後、日本に帰国いたしました。すぐに村井先生を訪ね障害者についての
勉強を教えていただき、又 企業を紹介して頂き入社しました。
新入社員教育の中に柔道を取り入れ指導する中で年に1回の社内柔道大会で
わらしべ学園の子供達と新入社員との寝技による交流試合を催したり、イタリア
ローマにあるダウン症の子供達を招き、親善試合を開くなど交流しました。

その後 国際審判員のライセンスを所得し、ロンドンパラリンピック、
リオパラリンピック、デフリンピック、アジア大会等の国際審判員を務め、
東京パラリンピックにおいてNHKの解説者として大会に参加出来た事は
村井先生のおかげと心から感謝するものです。